第6回 住宅設備・建材選びの基礎知識 構造編 その1
旧ブログ 2011.12.29
Q005
断熱材の中でもっとも利用されているのがグラスウールです。安価で利用されやすい特徴があります。次のうち、グラスウールの特徴として正しいものはどれでしょうか?
A 50%以上がリサイクルガラスから作られている
B 住宅では10mmの厚さが採用されている
C 年数の経過とともに断熱材が劣化する
D 火災の際は700度の高温にも耐えられる
いかがでしょうか?
解答 D 「火災の際は700度の高温にも耐えられる」が正解です。
解説 「グラスウール」はガラスを繊維状にした断熱材のことで、断熱材の中で50%以
上のシェアがあります。最大の特徴は、他の素材を圧倒する価格の安さ。
原料の80%以上にガラス瓶などのリサイクルガラスが採用されていて、使用後
のグラスウールも再利用可能な環境負荷が小さい素材です。安全性と耐久性に
優れており、IARC(国際がん研究機関)の検査で人に対して発がん性に分類され
ないとの評価を受けています。施工の際に発生する粉じんも害は少ないとされて
います。
耐久性も30年近く劣化しないことが確認されており、ガラスという素材の特性
上、不燃で燃えにくく、万が一の火災の際も有毒なガスは発生しません。吸音性
が高いのも特徴です。
デメリットとしては、他の断熱材に比べ、施工に注意が必要です。グラスウール
は結露が発生し、「へたる」「湿気を吸う」などといったイメージをもたれることがあ
りますが、グラスウール自体には吸湿性はありません。
必要な施工方法が認識されないまま、急速な普及したことにより、結露問題が
発生しているケースが多々あります。正しい施工方法を理解しておく必要があり
ます。グラスウール業界では、施工技術の講習会を定期的に開催しています。
受講者には、グラスウール認定技術者としての資格を提供する「マイスター認定
制度」を設けています。
厚みがあり、密度が高いほど断熱性能は高くなります。断熱性能は、熱抵抗
の「R値」という数値で表されます。数値が高いほど断熱性が高くなりますので、
商品選びの際は、「R値」を比較してみるとよいでしょう。